但馬食品衛生協会 本所:豊岡市幸町7-11
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食中毒予防について

     
 

■目次

食中毒予防の3原則
カンピロバクター食中毒の原因
カンピロバクター食中毒の予防
黄色ブドウ球菌
腸炎ビブリオ食中毒
O157食中毒について
O157食中毒を防ぐために
ノロウイルス食中毒
ノロウイルスの消毒液の作り方

 
 
 
 

■食中毒予防の3原則

予防の3原則は「清潔」「迅速」「冷却・加熱」です。

清潔(細菌を付けない)
清潔な材料をもとに、清潔な場所で、清潔な器具を用いて、清潔な手指、身なり、習慣で作業を行う
(1)食材の原材料に付いている細菌は、洗浄するなどして除去する
(2)調理前やトイレの後はもちろん、作業内容ごとにその都度手指の洗浄(消毒)を行う
(3)調理器具類は、目的に応じて使い分け、使用後は充分に洗浄消毒を行い乾燥させておく
(4)冷蔵庫や作業工程での二次汚染を防いだり、食品に細菌が付着しないようにする

迅速(細菌を増やさない)
出来上がった食品は速やかに喫食することが肝心である
(1)原材料や食品は計画的に仕入れ、細菌が増殖する時間を与えないようにする
(2)調理に当たっては、長時間室内に放置することなく、手際良く作業をする
(3)調理した食品は速やかに提供するとともに、喫食者にも注意を呼び掛ける

冷却または加熱(細菌をやっつける)
細菌が増殖する温度は10-60℃までで、この温度帯が危険帯
しかし、冷却または加熱が10℃以下、60℃以上ならばすべて安心とは言えず過信は禁物である

 

ポイント1

調理場からお客様への提供時間をチェックしましよう。

迅速に料理を提供することはもちろんですが、提供までに温度が変化する事が、最も細菌を増殖させますので気をつけましょう。

ポイント2

食品冷蔵庫の管理を徹底しましよう。

食材料と調理した料理は冷蔵庫を一緒にしないのが原則です。冷蔵庫が一つしかない場合は、せめて扉は一緒にしないことが重要です。

 
 
 
 

■カンピロバクター食中毒の原因

原因食品・・・鶏料理焼肉など
・ 鶏たたき、鶏刺し、レバー刺し
・ 加熱不十分の肉
・ 手指・調理器具を介して二次汚染されたサラダなど

市販の鶏肉や牛レバーには、高い確率でカンピロバクターが
存在することが分かっています

  市販の鶏肉 : 32%〜96% 鶏内臓:14.3%〜100%
                    『微生物・ウイルス評価書 鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ』より
牛胆のう内胆汁 : 25.4% 牛胆管内胆汁:21.8% 牛肝臓:11.4%
                                          『カンピロバクター食中毒(Q&A)』より

食中毒発生!!〜事例@〜

学校の友人8人で飲食店にて会食を行ったところ、7人が発症した。
(8人中7人からカンピロバクター検出)

<原因食品>
鶏の刺し身または鶏わさ
<調理手順・衛生状況>
@鶏を店舗内で解体
A解体作業は素手で行われ、作業中手洗いをしていなかった
B包丁は1本のみしか使用せず、使い分けもしていなかった
C鶏の刺し身は加熱工程がなく、鶏わさも湯通し程度の加熱のみ
<発生要因>
@解体時に、腸内容物に含まれていた菌がササミやレバーに付着
A鶏肉の生食または加熱不十分

食中毒発生!!〜事例A〜

会社の同僚11人で飲食店にて会食を行ったところ、5人が発症した。
(発症者3人の検便からカンピロバクター検出)

<原因食品>
牛レバー刺し
<調理手順・衛生状況>
@原材料のレバーは加熱調理用
A牛レバーを酸性電解水に漬け込み、流水で洗浄後冷蔵保存
B仕入れ日の翌日まで注文を受けるたびにスライスして提供
C加熱工程はなし
<発生要因>
牛レバーの表面は殺菌されたが、内部まで殺菌されなかった

食中毒発生!!〜事例B〜

高校で調理実習を行った生徒が腹痛、下痢などを発症
(発症者の検便からカンピロバクター検出)

<メニュー>
たけのこ炊き込みご飯、若竹汁、魚のムニエル、サラダ
<調理手順・衛生状況>
@たけのこ炊き込みご飯には鶏肉が使用されていた
Aひと口大の鶏肉を仕入れていたが、生徒は鶏肉をまな板に広げ包丁で
細かく切ったり、手でちぎるなどしていた
B調理器具や手指の洗浄が不十分のまま次の作業に移っていた
<発生要因>
汚染された鶏肉から、手指や調理器具を介して他の食品が二次汚染された

 

 
 
 
 
 

■カンピロバクター食中毒の予防

@二次汚染の防止
・まな板、包丁などの調理器具は専用のものを!
使用後はよく洗浄し、十分に乾燥させる
・生肉を取り扱った後は手指の洗浄・消毒の徹底を!
・生肉が他の食品と接触しないように!
専用のふたつき容器に入れて保管する
作業場所を区別する
・焼肉や鍋ものでは、生肉専用の調理器具を用意する!
(例:トングやはしなど)

A加熱調理の徹底
・中心温度75℃で1分以上加熱する!
肉の中心部まで白くなるように
加熱ムラがないように
生または生に近い状態での提供を避ける
生食用であっても、高齢者・若齢者などの
抵抗力の弱い人への提供は控える

食肉や内臓肉のカンピロバクター汚染率は高く
鮮度の善し悪しとは無関係です

 

 
 
 
 

■黄色ブドウ球菌

どこにいるのか?
 人・室内・自然界どこにでもいます
◆人の化膿巣、鼻腔、頭髪などの毛根
◆人以外に哺乳動物、鳥類などに広く分布

感染経路は?
 主に調理従事者の手指
◆潜伏期間:0.5〜6時間(平均3時間)
◆症状:激しい嘔吐、腹痛、下痢など

手のあれ、傷がある場合は調理に従事しない!!
調理中は顔、鼻、頭髪等にふれない!!
手指の洗浄消毒を十分に行い、素手で食品に触らない!!

特 徴
 毒素(エンテロトキシン)を産生
◆食品中で菌が増殖するときに毒素を産生し、
これが食中毒の原因となる
◆菌自体:温度管理で増殖を抑えることができる
十分な加熱で容易に死滅する
◆毒素(エンテロトキシン):熱に非常に強い
100℃・20分の加熱でも完全には破壊されない

再加熱を行っても毒素は破壊されません!!
加熱を過信しないようにしましょう
菌の増殖を抑えるためにも食品は冷蔵保存を徹底すること

 

 

 

 
 

黄色ブドウ球菌食中毒〜事例〜

仕出し弁当を食べた58人中15人が発症した。患者便4件と弁当残品7件、
従事者便1件から黄色ブドウ球菌が検出された。患者便4件と弁当の残品で
ある炒り卵、ご飯からエンテロトキシンが検出された。

<原因食品>
炒り卵
<施設の衛生状況>
○24時間営業であり、食材の管理、清掃・整理整頓が不十分
○製品を調理後室温に長時間放置
<発生要因>
○調理済食品中での黄色ブドウ球菌の増殖
○調理従事者の食品衛生に対する知識の欠如

 
 
 
 
 

■腸炎ビブリオ食中毒

腸炎ビブリオは海の中に生息し、海水の温度が高くなると増殖するため夏に多く発生します。

   

特徴@ 塩分を好むが、真水には弱い


対策@ 真水の流水でしっかり洗う
       
 
特徴A 増殖速度が非常に速い、他の食中毒菌の倍以上の速さ
 対策A 低温(4℃以下)で保存
     
    特徴B 熱に極めて弱い
対策B 中まで火が通るようしっかり加熱
       
    特徴C 二次汚染が多い


対策C
こまめな手洗       調理器具の区分       調理器具の消毒

 

〜過去の事例〜

調理場の衛生状態は良好であったが、下処理と上処理の明確な区画はなく
一枚のまな板を裏表で使い分けて作業していた。事件当日は利用客が多かっ
たため、調理器具の使用方法が不適切となってしまった。


 
 
 
 

■O157食中毒について

●特徴
強い感染力:菌数わずか100個足らずで感染
強い毒性  :大腸で増殖するときに「ベロ毒素」を産生
→抵抗力の弱い幼児、高齢者には脳や
腎臓などに重い障害を起こすことも
長い潜伏期間:腸のなかで菌が増殖して毒素を作り、
症状が出るため、潜伏期間が4〜9日
と長い

●症状
・激しい腹痛、嘔吐、下痢に続く血便
・溶血性尿毒症症候(HUS)
→抵抗力の弱い幼児、高齢者
・重症例では死に至ることも

●原因食品など
O157は牛、豚、羊などの腸内に常在している菌

生肉、レバー、加熱不十分な肉類
二次汚染された食品          ※人⇔人感染もある

 

 

ベロ毒素は脳、腎、肺
などに障害を起こす

 

●O157食中毒発生事例

■全国展開するステーキチェーン店にて、成形加工肉である「角切りステーキ」喫食による、
複数の都道府県に渡る食中毒   (兵庫県でも発生!)

原因
@肉をミンチ、成形加工した「角切りステーキ」がO157に汚染されていた
A肉の加熱が不十分だった

 
 
 
 

■O157食中毒を防ぐために

・肉の生食(レバ刺しやユッケなど)の提供を避ける
・菌は最低75℃1分以上加熱で死滅するので、十分な加熱を!
※ハンバーグなどは中心部まで十分に加熱
調理の時、手指はこまめに洗う
※特に、生肉を扱った手指は、他の食材や器具に触る前に十分に洗う
・生肉を扱った調理器具は、使用後よく洗剤で洗い消毒し、
他の食材を扱う調理器具と分ける
※非加熱のまま食べる食材(生野菜など)を汚染しないよう注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 

■ノロウイルス食中毒

・細菌性食中毒と異なり、寒い時期に起こりやすい
感染力が強く、少量のウイルスでも感染する
(人の腸管内で増殖し、症状をおこす)
・潜伏期間(喫食してから症状がでるまでの時間)は
およそ12〜72時間、通常1〜3日で症状は回復する
・主症状は下痢、嘔吐、腹痛、発熱
症状消失後もウイルスの排出が続く(長くて1ヶ月程度)
不顕性感染(感染しているが、症状がない)が認められる

 

 

 

 

 

感染経路は3つ!!

@ノロウイルスに感染した調理従事者の糞便等から手などを介して食品が二次汚染
※ 感染者の糞便・下痢には1g当たり1億個以上のノロウイルスが存在している
※ ノロウイルスは100個程度でも感染する
Aノロウイルスに汚染された二枚貝の生食
B人から人へのノロウイルス直接感染

 

 
 

予防するには@ 正しい手洗いの徹底

 正しい手洗いの徹底(1)

ノロウイルスはアルコールや石鹸では死滅しない

徹底的な手洗いでノロウイルスを手から物理的に落とす必要がある!(30秒以上の手洗いと10秒以上の洗い流しを!)

手を拭く際はペーパータオルの使用が理想

 
 

 正しい手洗いの徹底(2)

効果的な手洗いのタイミングは?

・トイレの後
・作業の開始時・変更時・終了時
・食品に直接触れるとき
・手が汚れたとき

 

 
 

 正しい手洗いの徹底(3)

手洗い前のチェックポイント
◎爪は短く切っていますか?
◎時計や指輪を外していますか?

汚れが残りやすいところ
◎指先や爪の間
◎指の間
◎親指の周り
◎手首
◎手のしわ 

 

 
 

予防するにはA 調理従事者の健康管理を

嘔吐や下痢など症状がある調理従事者は調理業務を控えること!
ノロウイルス感染は、不顕性感染(感染しているが、症状がない)が認められるので、家族に有症者がいる場合も注意が必要!
調理従事者は、二枚貝などの生食を避けるなどの配慮も求められる

 

 

 
 

予防するにはB 加熱するものは充分な加熱処理を

・ノロウイルスは85℃、1分間の加熱で死滅する!
・ 使い捨て手袋を使用する
・加熱後の食品や生もの(サラダなど)を扱う際は使い捨て手袋を使用する!!

 

 

 
 

予防するにはC 食品の取り扱いに注意する

ノロウイルスによる二次汚染を防止するため、完成製品と原材料の保管場所を区別する!
また、食品の種類ごと(魚介類、肉類、野菜類など)に調理器具(包丁やまな板など)や保管場所を区別することも重要!

 

 

 
 

予防するにはD 施設、調理器具などの洗浄を

施設、調理器具などは毎日使用後、適切な方法で洗浄すること!
85℃、1分間以上の加熱処理
0.02%次亜塩素酸ナトリウム液での処理
ノロウイルスはアルコールや逆性石鹸では死滅しないが、次亜塩素酸ナトリウムは効果あり!

調理器具などの洗浄方法

 

 

 
 

予防するにはE 感染者の嘔吐、下痢を適切に処理

施設内で嘔吐、下痢があった際、適切な処 理を行わないと施設内で感染が拡大する。 さらに、調理従事者に感染が及べば、食中 毒発生の可能性が高くなる!

0.1%次亜塩素酸ナトリウム液処理す方法が最も有効!

嘔吐物、糞便の処理

 

 
 

■ノロウイルスの消毒液の作り方

トイレ・嘔吐物処理は

0.1%の次亜塩素酸ナトリウム消毒液  (1000ppm)
・・・水2L(ペットボトル)に6%次亜塩素酸ナトリウムを
ボトルのキャップ約8杯入れる。

器具・機材の消毒は

0.02%次亜塩素酸ナトリウム消毒液  (200ppm)
・・・水2L(ペットボトル)に6%次亜塩素 酸ナトリウムを
ボトルのキャップ約2杯入れる。

次亜塩素酸ナトリウム濃度(市販の塩素系漂白剤を薄めて使用します)

濃度 商品名(例)
5〜6% ジアノック、ハイター、ブリーチ 等
6% ピューラックス、アサヒラックス、テキサント 等

※塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム液)は製品の説明書きをよく読んでご使用ください。

 

 
 

 

 

 
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